可愛らしいチワワですが、人間と同様に様々な病気を発症します。
その中で今回は水頭症という病気についてご紹介したいと思います。
水頭症は小型犬に発症しやすいのですが、小型犬の中でもチワワはこの病気の発症率が高いのです。
水頭症はどんな病気でしょうか?
なぜ小型犬に多いのでしょうか?
チワワと水頭症
水頭症とは、脳や脊髄の周囲を循環している脳脊髄液(のうせきずいえき)と呼ばれる液体が、何らかの理由で増え、脳室と言う脳の組織を圧迫してしまった状態のことです。
これはアップルドーム型、つまり、りんごの様な丸い頭の形をした犬に多く発症すると言われています。
この病気が発症する小型犬はチワワの他に、ヨークシャーテリア、プードル、ポメラニアン、ミニチュアダックスフンド等がいます。
しかし、水頭症の発症率が他の小型犬は約2%に対し、チワワは約3~4%とかなり高い発症率と言えます。
先天性か後天性か
水頭症には、先天性か後天性に分けられます。
先天性の場合、遺伝による脳室の奇形が原因で、生後3カ月から6カ月の間に発症します。
チワワの水頭症は高い確率で先天性であることが多いようです。
後天性の場合は、脳の炎症や脳腫瘍、頭部外傷、ウイルス感染によって発症すると言われています。
見分け方
生後すぐに発症することもあり、なかなか早期発見が難しいことも現状ですが、水頭症にかかったチワワにはいくつかの症状の特徴があります。
症状例
- 歩行異常
- 食欲不振
- 凶暴化
- 頭がドーム形にふくらむ
- 目の焦点が合わない、斜視(黒目が外方向を向いている)
- 痴呆
- 旋回活動(異常にクルクル回りだす)
などがあります。
見た目にわかりやすいのが頭がドーム形に広がることと、斜視です。
治療方法は?
動物病院へ行き血液検査を受けた後、X線検査を受けます。
その後頭部の超音波検査をします。
二次診察ではCTやMRIをとると言った流れになります。
CT、MRIは大学病院や専門知識を持った病院で診てもらいます。
CT、MRIをとる場合、時間がかかると同時に、全身麻酔の為どうしても費用が高額になり、愛犬の身体にも負担がかかってしまうので慎重な判断が必要です。
そして治療は内科治療と外科治療の二つの方法があります。
内科治療
水頭症が軽度の場合は内科治療をすることが多いようです。
内科治療の場合、投薬によって髄液を減少させて、頭蓋内圧を下げるようにします
薬は、ステロイド剤やアラミックと呼ばれる利尿剤(脳内の水を外に排出する)が主に使われます。
水頭症の治療で一般的に行われるのが内科治療です。
外科治療
外科治療の場合は「VPシャント」と言われる術式で行われます。
ドレーンと呼ばれるチューブを使って頭に直接針を刺し、髄液を腹膜(お腹の中)に流す方法です。
脳内に溜まってしまった脳脊髄液を腹膜に流すことで、脳圧を軽減します。
しかしこの手術はリスクが高く、愛犬の負担も大きいので、信頼できる獣医師と相談し、決断するようにしてください。
気になる手術費用は?
基本的にペットの治療代は人間のように保険が適用されない為、全額飼い主の負担となります。
水頭症にかかる費用はおよそ以下の通りです。
・診察・検査:約50,000万円
・投薬治療:約3,000~5,000円/月
・外科手術:約20~35万円
入院約一週間
これだけの費用がかかりますのでペットショップで購入した際は、ペット保険に入っておくことをおすすめします。
特にチワワの場合は、水頭症のリスクが高いので入っておくと安心かと思われます。
まとめ
水頭症は難病であり、現在も完治するのが難しいと言われています。
小型犬はかわいいですが、その分、リスクがあることも、あらかじめ把握しておくことが大事です。
かかりやすい病気、もし病気になったらどれだけの費用がかかるのかを調べ覚悟の上で飼うことが、飼い主にとって重要です。